WSA研究会 #4 で縁側トークをしました

このエントリは、4/13(土)に京都で開催された第4回 WSA研究会 に参加した記録です。

縁側トーク経営学と組織デザインを通して考えたいこと」

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いただいた質問とコメント

  • 今回の発表内容について主な対象となるのは、企業の技術・研究組織あるいはアカデミックの組織?どちらをイメージしているか?
    • どちらにも当てはめて考えたいが、主対象としているのは企業の技術・研究組織です
  • 発表内で「技術進歩のスピードが速い」という話があった。技術や研究現場にいて、技術進歩のスピードが速いというのはどういうことなのかな?とよく考えることがある。速ければどうなのか、どうしていかないといけないのか。その点について考えはあるか?
    • 自分の勉強不足で曖昧かつわかりづらい表現になってしまった。技術進歩のスピードが速いというのは、開発者が新しい技術を日進月歩でどんどんと生み出されている状態をイメージしている。技術を使う側はどんどんと生み出される新技術をキャッチし、自分らの組織にフィットするかを見極めないといけない。組織ごとに、自分たちにとって本当に必要な技術とは何か?何を求めないといけないのか?の審美眼というか新しい技術を見極める目を肥やしていく必要があると思う。そういった点で自分は未熟であり、もっと学び考えていく必要がある
  • 新しい技術が生み出されるということは、レガシーな技術も生まれるということ。その点について考えはあるか
    • 組織が新たな技術を採用する時に、賞味期限というか短期的に使うのか、それとも長期的に使うのかを決めて置く必要はあるかもしれない。技術を採用する時点で、メンテナンスをどうするかを決めておくなど。他にも議論が必要なのだと思うが、未熟ゆえこれ以上のお答えができない
  • 発表の中で「頼りにしあう」という話があった。頼りにしあう同士になると、ひとの評価のしづらさがあるんだろうなぁとイメージする。頼りにしあう組織として、ひとをどう評価していくのかという視点は考えていく必要があるかもしれない
    • たしかに、そう思います
      • OKRの考えを重視して評価すれば、信頼感やチームワークを損ねることなく評価ができるかも?
  • 経営学の起源が間違えている。1980年代ではなく、1920年ごろ米国でフレデリック・テイラーにより「科学的管理法」として発祥している。またアポロ計画は1980年以前でありその観点でも矛盾がある
    • 勉強不足で発表内容に誤りがありました

全体の感想

WSA研に参加させてもらって いいな〜有意義だな!と感じることの一つに、参加者の方々がみなとても楽しそうに発表されることが挙げられます。
参加者全員が発表し、参加者全員が全発表にフルコミットするスタイルが、お客さんを作らない全員参加型の文化を強化しているように感じます。コメントや質問だけではなく、時には発表者に提案が寄せられるのもすごくいいなあと思います。どの議論を聞いても、参加者はそれぞれの技術領域や関心分野に持ち帰ることができる。各々が知識創造できる実践共同体の文化が自然に醸成されているようです。
私は発表内容や議論のすべてを理解することはできませんが、それでも聞いたことがある単語や情報を脳内から引っ張り出し、繋いで、それぞれの登壇内容を頭の中で絵にしていました。理解の及ばない内容であっても、知らない世界やいくつもの知的研究の渦に浸れる機会は大変貴重です。
前回と同様に、参加者皆さんの発表を拝聴しながら「この方がこの先に見たい世界とはなんだろうか」と心の中で問うていました。
慣れた毎日とは別の1日を過ごすことができました。

印象に残った発表

どの発表も興味深く、また未来が感じられるお話ばかりでした。
中でも itkqさんの発表 第4回 WSA 研究会に参加した「カオスエンジニアリングはどこから来たのか、その先には何があるのか」は大変興味深く拝聴しました。
これまでにもカオスエンジニアリングというワードは目にしたりNetflixの資料を読んだりしていましたが、発表を通してその背景や考え方について詳しく学ぶことができました。 "半脆弱性" という新しい概念や自然界における生命のサイクルをヒントに、ウェブシステムのあり方を考えていけるのではないか? という問いに大変わくわくしました。このような問いから新たな何かが生まれるのですね。説明がクリアで示唆に富み、itkqさんの思考の深さを伺い知れる発表でした。

思考段階の技術展望や構想について発表することができること、そして参加者それぞれの関心や知見を持ち寄り議論できることが、WSA研にあって他にはない大きな魅力に感じます。

個人的な振り返り

予稿と発表資料を作る過程で、自分は組織基盤の設計者になりたいのだなぁという発見がありました。このことは今後の自分にとって大きな一歩だと思っています。
一方で、予稿も当日の発表内容も不完全で稚拙な出来に終わりました。精一杯取り組んだものの勉強不足、力不足に尽きます。

#4準備中は苦心に苦心を重ねました。過去や現在の報告ではなく、未来を自分の言葉にしてまとめることは想像以上に大変で苦労しました。自分の中の朧げな展望を言葉にして作っていくことの難しさを知りました。

「研究計画書」をイメージして予稿に手をつけましたが、研究経験がない自分には全てが未知でした。研究計画 書き方 初心者 で何回検索したかわかりません。「研究」を意識しすぎたかな?

当然のことですが難しいのは書き方ではなく、自分がやりたいことの目標目的や展望を明確に他者に伝えることの方だとわかってきます。フォーマットが理解できても他者に伝わる研究計画を書くことは不可能です。自分はまだ組織に関する考えやデザインについて、他者に論理的に説明できるだけの力と知識・情報を持ち合わせていないことを痛感しました。未熟でした。

自身の研究課題設定をして年単位の研究計画を立て、未来にコミットしながら試行錯誤し探求を続けられている研究者の方々のすごさを思い知りました。

予稿および当日の発表は不甲斐ない内容でしたが、それでもお付き合いただいた参加者皆さまには心から感謝しています。
この振り返り内容を、未来の自分が懐かしく笑って読むことができるよう私なりに努力したい。

キーワード

謝辞

重ねて、運営メンバおよび参加者の皆さまには、分野外で専門領域を持たない自分に時間を割いていただいたことに心から感謝します。
自身の現状を知る機会をいただけたことは大きな収穫です。

この3月にMBAを修了されたnari_exさんには、組織に対する考えやMBAでの学びについて具体的な助言や情報をいくつもいただき刺激を受けました。自分が進もうとする道の近くを既に歩まれた方にお話が聞けると意欲が増します。
そして発表中の助言や越境し挑戦したことを評価してくださったゆううきさん、自分の発表にコメントや質問をいただいた皆さまにも感謝しています。たくさんの力と気づきをいただきました。

まさよしさんには随分助けていただきました。大感謝です。
多忙の最中にも関わらず壁打ち相手をしてくださってありがとうございます。自分のとっちらかった脳内を整理し、別の言葉に言い換えて助言してもらったりで、相当骨が折れたと思います。おかげでようやっと予稿を書き発表することができました。

自分の中にある課題イメージを具体化し、どう解決するのか。道筋を分解して考えることが次の課題です。

さいごに

5月から新たな環境で組織づくりの一端を担わせてもらうことになります。
このあとは自分の関心領域で歩みを進め、いつかまたWSA研の皆さまによい報告ができるように精進します。
がんばろ〜。