2022年 秋

小春日和が続きます。昼間は葉の色づきを見る散歩が気持ちよいし夜になると気温が下がって温かいお茶がおいしい。今の季節が一番好きです。冬の使者、木枯らしはまだ先かな。明日は立冬ですね。

仕事

5月末で前職を退職し、6月から別の企業で働いています。
長くお世話になったインターネット業界を離れて、生活に近しい美容・日用品の消費材メーカーで人事をしています。感情を持つ経営資源「ひと」をベースに組織という建造物を作る仕事で、どれだけ綿密に議論し設計図を書いてもなかなかその通りにいきません。そのわからなさが、人事の難しさでやりがいだと感じます。

自宅で過ごす日々から一変し、7:30に家を出て20:00 過ぎ帰りほぼ毎日大阪に通勤をしています。業界を変えた転職先は予想以上に異文化で驚きの連続でした。化粧品やヘアケア、美容家電といった有形商材を扱うため当然事業内容と市場が大きく変わりました。業務の中で飛び交う言葉は様変わりし、バリューチェーンを意識した事業、組織、配置、ひと、コスト意識が重要になります。ソフトウェア業界の知見は役に立たず、郷に従う必要があるように思えました。今になってその時の自分は余裕がなかったのだとわかります。人事経験、エンジニアリングの考え方やものづくりへの傾倒は十分活用できていて「ちょっと別の考え方をするひと」「組み立てるひと」として少しは役に立てている気がします。

現職はマーケティングを重視する組織で、マーケットに対してのこだわりや市場分析は見ていて学びになります。質のよいものを作ることは大前提、しかしそれだけでは売れない。どんな商品を開発するかどうしたら商品を知ってもらえるかどう認知を図るかどんなふうに顧客感情に触れるか何があれば継続して手に取ってもらえるか。そんな市場とのコミュニケーション設計はいち生活者消費者として身近だし勉強できることが多いです。また消費材を作る会社として、トップダウンサステナビリティ経営を徹底しています。

今年の夏は心身しんどかった。夏バテと慣れない通勤そして変化による気疲れや感情の揺れで1日をこなすのに精一杯でした。猛暑が過ぎ日差しが和らぐのと連動してようやく新しい自分のペースが掴めてきました。やっと越えた!そんな感覚です。

いけばな

お稽古を始めて1年半が過ぎました。楽しい。
季節ごとの花材を扱えること、枝や花それぞれの個性や特徴を知れること、どの花材を主役にするか決めること、型を意識しながら全体を作ること。そのどれもが楽しいです。「美」を感覚的に作るのではなく、ひとつ一つの役割を知り材料を組み立てて全体を作る建築に近いと知りました。そしてそのおもしろさに夢中です。
お稽古では2~3種類の花材を使います。その中からまず見つけるべきは自分が感じる対象の魅力。美しいと思う花材を選び、その個性を際立たせるために不要な部分を削ぎ落とします。鋏を入れる作業は最小限を意識して取捨選択をします。いけている時間の何倍も多くを、葉や花の向きそして花材の個性をいろんな角度から観察することに費やします。
いけばなと編集も似ていそうです。

いけばなでよく語られる「引き算の美学」「不足の美」それはつまり「必要なものに焦点を当てる」です。魅せるべき植物の姿が朧げながらも見えていれば、やみくもに鋏を入れなくても引く枝葉が見えてくる気がします。逆にその基準を持ち合わせていなければ、いくら型や技術を知り磨いたところで花を魅せるかたちにするのは難しいのでしょう。私は毎回迷ってばかり。これからも精進です。

うちの植物が大きくなりました。さっき数えたら観葉植物、シダ類、多肉植物や枝など13もの植物が身近にいます。厳しい夏を超えてみんな元気そうです。
私自身は生活することに積極的です。どんな生き方をしたいのかを意識することが増えました。限りある自分の時間でどんな過ごし方をするのか能動的でありたい。それが5年先の自分につながるかも。

最近お気に入りのものや道具をいくつかゲットしました。毎日の生活や好みに合うものを揃えて、メンテナンスをしながら使うのは満足度が高いです。「今年買ってよかったもの」エントリでこんど紹介しようかな?それらがあると家でのんびりと過ごす時間が有意義に思えるし、リモート勤務をしていた時よりも健康と食事を意識するようになりました。秋だから毎日すごくおなかが空いています。時間をかけて特別なメニューは作れないので、ごはんが上手に炊けてお味噌汁がおいしく作れたら十分満足。月に1度はお気に入りスイーツかデリシャスをたべたい。そんな感じで暮らすのが好きなのかもしれません。
温泉旅に出かけたいこの頃です。秋冬を楽しみたい。

秋のうちにこのエントリを書けてよかったです。
記録しておこうと書いては消して放置してかなりの時間が過ぎました。夏のしんどい時によく思い出す言葉がありました。記しておきます。

自分を壊れない機械のように扱うのはやめましょう
私たちは感情を持った人間です
自分を大切にする時間を1日のどこかで作ってください
あなたが笑顔でいることが大切です