2019年

あけましておめでとうございます。
今年も穏やかに新年を迎えることができました。

昨年お世話になったみなさま、ありがとうございました。

2018年

振り返りです。2018年 - Words fly away, the written letter remains.
地図なしで迷宮を進むような心持ちで1年を過ごしていたように思います。
自分の知見や考えたことを文章にして、他者に伝えるといった活動は特にできませんでした反省。しかし言葉にする機会には何度か恵まれて、それにより自分の見通しがこれまでより定まったことは複利です。このことは2019年の抱負で少し触れます。

業務繁忙に託けて、優秀な同僚ややさしい人たちに助けてもらいながら、定常運行で日々の仕事と時間を過ごしていきました。しかし周りが優秀でやさしいがために余計に、自分はこのままでいいのか?「一日生きることは、一歩進むことでありたい/湯川秀樹博士」自覚的にそう生きている?が頭をもたげてきました。1年を通してこの思いは定期的に湧いています。

花粉の飛ぶ時期は図書館で過ごし、緑が芽吹くとおいしいお店をめぐり苔を見にお出かけしました。季節とともに暮らせる京都は本当に素敵な場所です。晩秋の澄んだ時期は特にそう感じます。上品な古家具みたいな侘び寂びがあります。

5月末に書いた ある夢が現実化する過程 - Words fly away, the written letter remains. このエントリに対して、いくつかのうれしい反響を個別に寄せていただきました。「長い目で、自分の道を生きよ」事あるごとにわたしを支えてくれている一節です。
この頃に同僚有志が集ってSRE本の輪読会をスタートしました。エンジニアではない自分のレベルに合わせて理解を示してくださる同僚に感謝です。SRE本のファンで、SREのスタンスは真似したいと思っているので、これからも定期的に読むでしょう。年明けから輪読会は再開予定です。

夏は酷暑でしんどかった。仕事はしっかりすること大前提で、暑さのあまり無で毎日を過ごしつつ、自分を取り戻すことを考えていたように思います。
Culture At Netflix | Netflix Jobs を何度も読み、これを自分に落とし込むイメージで、今までの業務経験と考えをまとめた "My Culture" 的なスライドを手元で作ったりしました。
周りがスピード感を増して変化するなか、自分だけ立ち止まっているように感じることが増えました。深い森に迷い込んだ気分でした。
冬。森を歩き続けながら、長い目で物事を見るように気をつけていました。うっかり自分をなくしてしまいがちでした。時に他者と自分の境界が曖昧になり、情報や出来事の波にひどく疲れてしまって、意識的にそういった環境から距離を置くようになりました。自分の感受性やばいとなって、でもどうしたらいいかわからず、ひょいと日帰りで尾道に出かけてたくさんの細道を歩きました。坂と階段と文学の街は、落ち着きと表情がありました。

2018年後半の惑いは自分の人生にとって必要な時間だと思えます。季節の移ろいや酷暑と同じだと思って、多少不安になっても、おいしいものを食べたりごろごろと自分の時間を楽しむことに貪欲でいます。
「一つのステップを挑戦して、考えて、感じて、楽しんでください」そう送ってくれた友人に感謝しています。落ち着いてゆっくりと話ができるひとと会うようにしたい。

2019年

業務ではこれまで手付かずだったことに手を入れてやりきりたい。今までと同様に、以下は私が何をしようとも変わらない自分の軸だと思って過ごします。

自分の感情に耳を傾ける余裕が生まれたり、落ち着いた気持ちを取り戻せたり、本当にしたいことに気づけたり、新しくて豊かな価値を作ったり考えたり楽しむ力が湧いてくる。そういった場や組織づくりをサポートしたい。
http://tomomii.hatenablog.com/entry/2017/01/01/021238

私的なことでは、ある分野の社会人大学院を目指したいと考え始めています。組織とひとと事業の関係や自分の関わりについてお話する機会があり、そのことで自分がそれらへの興味関心が強いことを再認識しました。過去に師が自分に伝えてくれた内容の理解がやっと深まってきたことも大きなきっかけです。入試がありますね、大変だ。
ほとんど趣味の英語学習として howard rheingold's | tools for thought を手元で訳しています。今年中に形にできるといいな。

世の中には「すぐにわかるもの」と「すぐにはわからないもの」2種類があるとされています。すぐにわかるものは、言葉にしやすく通り過ぎてしまう。だけど、すぐにわからないものは(例えば宇宙とかひとのように)何度も考えたり眺めたり行き来したりするうちに、じわじわと解りだして、何かと繋がったり別の価値を生むことがあります。後になって、自分が見ていたものは断片だったことに気づきます。そういったすぐにわかりづらいものに目を凝らし、枠組みや仕組みやお作法を知って考えてみたい。

それから、2019年の展望 - ゆううきブログ で記されている松尾芭蕉の言葉「古人の跡を求めず 古人の求めたるところを求めよ」が琴線に触れ、漫画「バーテンダー」を読んでみました。
私にロールモデルはまだいません。だけど、たくさんの碩学や師が成し遂げている(遂げてきた)ことを理解し、そのためにどんな振る舞いや考え方をしてきたのかについて自分なりに解釈して実行することは、オリジナルでクリエイティブなことだと思えます。行動指針にしたい。

最後に、怪我で手足の自由を失った車椅子の詩画作家 星野富弘さんの言葉が心に触れたので記します。口で筆を咥え、紙の上に美しい花と言葉を生み出されています。花を好む母のコレクション画集から抜粋。

ひとは空に向かって寝る。永遠を見つめよ と言っているのでしょうか
たおれても、その時もしひまだったら、しばらく空をながめ、また起きあがるのさ

わたしの言動に誤りや不愉快や稚拙な点があれば、それは間違いだ違うよ、と忌憚のない指摘をいただきたいです。リアルやインターネットで関わりのある方々はどうかご協力くださいませ。

元気においしいものがたべたい!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。