9/17 (日) Wengen > Jungfrau > Zurich

6日目。晴れ。この日の予定は事前に決めてあった。ぎっしりだ。

例えば、週末2日とも外出だとか休日の予定が詰めて埋まると息苦しく感じてしまう。「ちょっと寄り道したい」「急にごろごろしたいのだ」とか「もっとゆっくり」を優先したいから、予定がないとかこれから決めようという状態には抵抗を感じない。その観点で、この日は全部盛りだった。がんばろう。

AM : Jungfraujoch とハイキング

ウェンゲンアルプ鉄道でウェンゲン駅からクライネ・シャイデック駅まで移動し、そこからユングフラウ鉄道に乗り換えて標高 3,750mに位置するユングフラウヨッホ駅 スフィンクス展望台を目指す。富士山の頂上と同じ高さに鉄道の駅があるのね?すごいな!そう、ユングフラウ鉄道はどの駅も標高3,000mを超える場所にある。100年も前にひととお金と20年近くの歳月を費やし、この路線を建設したスイスはすごい国だ。終点駅まで40分ほど車中でうとうと。眠気はもしかしたら標高が高くなってきたせいかもしれない。時おりクラァとしたり息がハァハァした。

標高3,500m超に位置するスフィンクス展望台から見るアレッチ氷河

ふぁーなんだここは。FF14かな。しばらくアレッチ氷河を眺めながら、あちら側の世界に引き込まれそうになる感覚を楽しんだ。
氷河とは長い間かけて降り積もった雪が次第に厚くなり氷となり重力によって流動するようになったものをいう。日本で氷河を身近に見ることはなくピンとこないが、この氷塊の流れが何万年も前から年に200mの速さで流れ進んでいたのだ。そして同じ時間の尺度でこれからもずうっと流れてゆく。"Still waters run deep." という英語の諺がありますが、まさにこのことだな。悠久の時を思った。
(Still waters run deep. = 深い川は静かに流れる。分別のある人や思慮深い人は、ゆったりとしていてやたらに騒がない。というたとえ)

↓ ハイキング中に見たアイガー、メンヒ、ユングフラウ。同時に3つの頂上が見えたよ!

青空と美しい景色を見つつ小一時間ほど歩く最中に、メンヒの中ほどで雪崩が起きる様子を2度も見る機会があった。雪崩を見るのも音を聞くのも初めて。落雷にも戦闘機が飛ぶ音にも似た轟音とともに、ものすごい雪の塊が一気に落ちる。あんなのに巻き込まれたらひとたまりもないなあ。雪山に出向く方はくれぐれもお気をつけください。
岩の隙間や地面にぴたーと張り付いて咲く高山植物を見つけながら、クライネ・シャイデック駅までの散歩ハイキングを楽しんだ。散歩はいいなー人生の楽しみ。
駅の近くでコーヒーを買い、来た道を戻った。再び鉄道でZurichを目指す。鉄道充。

PM: Zurich

クライネ・シャイデック駅からチューリヒまで鉄道で約3時間の旅です。
インターラーケン駅からベルンを経由してチューリヒ中央駅まで、特急列車を利用すると約2時間で移動ができる。運賃は70Fほど。車中はほぼ夢の中であった。
17:00 過ぎにチューリヒ中央駅に到着した。中央駅は映画やポスターに出てきそうな重厚で素敵な駅で、各所に吊るされている大きなMondeanの時計がとっても印象的!構内を散歩して時計と鉄道の色合いを眺めるだけで楽しかった。荷物が多くこの時は早起きとハイキングと移動で疲れ切っていて、写真が撮れていないのがざんねん。
大きな荷物はいったんホテルに置いて、旧市街に戻り散歩。この時期のスイスは20:00pmまで空が明るい。治安がよいチューリヒの街は夜の散歩も楽しい。

博物館や塔やアパート、ウィンドウ越しのディスプレイどれもが小粋で、St. Moritsの自然と調和したのんびりな雰囲気とはまた異なっていた。都会だけれど雑然としておらず疲れる感じはない。ローマやパリのような豪華絢爛な華々しさはない。質素だけれど洗練されていて、わたしはこういう街や時間の流れは好きだと思った。
空気が美しいせいなのか、空間が広くとってあるからかな?はたまた石畳だから?統一感があるのだと思う。歩く人、建物の色味、空の色、街全体のベースカラーが柔らかな中間色で落ち着く。

建物や川を見ていたら急に京都の街が恋しくなることがあった。ZurichもSt.Moritzもすごく素敵だけど京都も負けていない。チューリヒの旧市街を歩きながら半分くらい京都のことを考えていた。プロテスタントの国でチューリヒはそれが色濃くでているため、スイスの中でも文化的な街なのだろう。宗教的な文化と時間の積み重ねが格だとか品を携えている感じがする。教会がたくさんあるのも寺社仏閣がたくさんな京都の街に似ている。人がたくさんいすぎないのもよい。

街をゆく人々はゆったりとしていてマチュアだなぁと感じた。時間がひとに降り積もっていて一過性ではない品がある。かっこいい大人になりたい。

余談

9/17, 18の2日間をまとめて旅の最終エントリにしようとしたら、いろんなことを思い出してなぜだか書くのに苦労した。事実と自分のことと過去と未来がごっちゃになる感じ。自分のことなのに何を書いたらいいのかわからなくなってしまった。不思議。旅疲れが出て混乱したのかもしれない。

もともと書いた文章はすべて消して時間をおくことにした。落ち着いて1日ずつ事実をヨチヨチと書き連ねたのがこのエントリである。稚拙でなんてことのない記録なのにけっこうな時間がかかってしまった。
つづく。