なにに注目して心が動くのか
自分は他者のどんな点に注目したり心が動くのかについて書いてみたい。
空気
以前ふらっと立ち寄った個展でカメラマンの方から聞いたこぼれ話を思い出した。
記念写真として撮影する集合写真や家族写真を撮る際は、はいチーズ!を宣言して 0.5秒待ってからシャッターを切ることにしているのだそうだ。外向きに作った意識的な表情から緊張が緩むその一瞬に、そのひとらしい自然なよい表情が見れるのだとおっしゃっていた。0.5秒以上待つともう目線が別の場所に移ってしまう。だから0.3~0.5秒の間が勝負なのだと。なるほどこれがプロの視点か。
言われてみれば自分も他者の「無自覚でいるとき」に目を向けるなと思った。なにかの制限なしに、そのひとが自分の時間を好きに過ごしているときというのかな。
散歩中に立ち寄った珈琲店で一人客がいたら相手に気づかれないようにこっそりと眺めてみる。疲れていそう、ねむそう、楽しそう、勉強中かな、このひとの時間の流れはゆっくりそうだ、など。くつろいで読書に耽り始められたりしたら最高。横顔や後ろ姿からリラックスしている様子を感じ取り、こちらまで鎧をぬいで自分の居場所を見つけたような気分になる。
そのひとそれぞれが纏う空気のようなものは、好きな時間の過ごし方や様子を知ることでおぼろげに感覚的に受け取っている気がする。
そのひと自身
人間的な魅力や深み--感受性や思考方法や経験の蓄積や道徳性や価値観、なにに情熱を持っているか、なにが好きでどんなことが嫌でなにに安心をおぼえるかなど。ただ、こういったひとの味わいがわかるには時間がかかる。
会ってみて何度も話をしてみないといけないかもしれない。思いもよらない不意な出来事からその人となりが感じとれることもある。饒舌に話をしていたひとが不意に黙り込んでしまった時とか。手を振って別れた友人がもう一度振り返ってくれた、みたいなこととか。言葉に頼らないノンバーバルな理解だってある。
こんなことを書きながら錯誤するようだが、ひとをすぐに判断できないと知っていた方がよい。ひとを見たりわかったりすることは効率化できない。
ビジョン、展望
ものごとが動きだすとき、その背景や想いは強い力を持つ。
そのひとの大切にしている軸ややりたいことはなにか。知れるとうれしい。
在りかた
そのむかしニーチェは「昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか」と書いた。勝ち続けていたら負けのことを学べない、とはよく言ったものだ。
Mark Twainの言葉に “Everyone is a moon, and has a dark side which he never shows to anybody.”とある。失敗や劣等感などネガティブな経験や感情について静かに落ち着いて考え、そして次の行動に移せるひとがほんとうの強さを持ったひとかもしれない。
映画「ショーシャンクの空に」でAndyが脱獄できた理由について、Andyが大学時代に専攻していた地質学の原理になぞらえ 'Pressure and Time.'を理解していたからだとRedは言った。
これまでの想いを大切に心に留め、一時的に困難なことがあっても長い時間でものごとを捉え、自分を信じて突き進むことができるひとは強い。
だれかの尺度で自分の幸福をはかってはいけない。
自分のこと
他者を通して自分を知ることは多い。つねづね自分を語れないと感じていて、いったいわたしはなにを考えているのか?とぐるぐるしたのでこのエントリをあげた。考えを文章にすることは難しい。自分を語れるひとを尊敬する。
時間や経験が自分の周りに降り積もることでようやく自身の形状を理解しつつある。もっと深くものごとやひとや自分と向き合えるようになりたい。
2016年
あけましておめでとうございます。
金沢で穏やかに新年を迎えることができました。雪はなく暖かな冬です。
手製のおせち(食べたいメニューを厳選した)とオードブルを囲んで、Pat Metheny GroupをBGMにのんびりと過ごしています。自由です。
仕事面について、これまで長らくほぼ一人で現場をやりくりさせてもらってきました。ありがたいことに昨春メンバーが増え、心身ともに余裕ができたことで、すこし自分の目線が変わったように思います。とはいえまだまだ周りには迷惑をかけていて助けてもらい通し。大切だと思う人や事に恥じないよう、引き続き精進します。
昨年は春先まで脳内が仕事と不安でいっぱいで、ほぼ自分の生活や時間に気を回すことができませんでした。繁忙がすこし落ち着いた頃かな、ふと自分の感受性が失われてしまったのではないかと愕然とすることがありました。「なんのために生きているか」を考えて途方に暮れてしまった。いや、ことあるごとに脳裏に浮かぶけれど「こたえを求めないよう注意を払いながら折に触れて考えている気がする。しかしその度にすごく虚無な気持ちになって、それでいつも考えることをやめてしまう」が正しいかな。
梅雨あたりは、これからどうしよう&わたしの感受性やばいとぐるぐるしていたように思います。波照間島への一人旅を具体的に計画し始めたのもこの時期でした。
日常からすこし離れ、波照間島に出向いたことは実り多き体験となりました。このことはまた別のエントリに書かなくちゃ。
一人になったことで、自分は一人じゃないのだなあと当たり前だけれど感じることができました。海しかない場所で、予想以上にいろいろな収穫を得ることができました。「形」として持ち帰れたものは一つもありません。大事なことは目に見えない、とサン=テグジュペリが書いているとおり。
毎日は常に流れていき、さまざまな経験と忘却を重ねながら、それを生きていることだと思って過ごしています。なんのために生きているか。このような思考の散歩をはじめると、どんどん落ち込んで、すべてのことが観念的で意味を見出すこと自体が無意味じゃないかと思えてきます。なにかのために生きていてもいなくてもどちらでも、生きていればよい。そんな心持ちで今は生きています。
数年がかりでこの学習に身を投じてみようと思える見通しをこのひと月でやっとfixすることができました。
今年は学びに気持ちを傾けたいと思います。身近なみんなの健康と食べること(生きがい)はもちろん。それから、本も読みたい。今までと同様にできるだけ喧騒から離れた場所に自分を置いていたいです。自分が思うことは言葉にしてちゃんと伝えたい。人の意見や評価は素直に受け取る。書き出すといろいろと出てくるな。歳を重ねても「こうありたい」がたくさん出てくるのは良しですね。時間が人に降り積もっている感じがする。
ものごとが現実化する過程での心がけはずっと意識してきました。最近はますますその気持ちが強まっています。以下に書き留めて、新しい年のエントリとします。
押し寄せる感情の波をやさしく受け入れ、ひとつひとつの出来事に心を動かしても奪われることはなく
つらぬく強い意志などとかいうものはあまり考えないようにして できる限りのやさしい視線で遠くの方に静かな見通しを持ち続けること
本年もどうぞよろしくおねがいいたします。
イイダ傘店の雨傘がとどいたよ
3月の京都展示会で注文した雨傘が届きました。梅雨が明けたところでしばらく出番なさそうだけどな。待つ時間も楽しみのひとつです。
植物や幾何学模様をデフォルメしたテキスタイルデザインと色の妙が毎回とても素敵。人の手で時間をかけて作られたものであることが伝わってきます。丁寧に作られたものを大切に使いたい。
今回雨傘を購入するにあたって、普段よく着る洋服の色(白・紺・グレー・茶)と相性がよく また灰色の雨空に映えそうな色合いを考えて、明るめのからし色を選びました。すごく迷った。
持ち手は樫の木を選びました。手馴染みがよく持ちやすい。タッセルに名前を入れてもらいました。わかる?
日傘
3年前から愛用している日傘。こちらも手元に届くまで4ヶ月ほど待ちました。木製のねこの持ち手。
テキスタイルは魚の骨の刺繍模様です。ベースカラーはグレー。渋い色味に惚れた。
そばに置いて、傷んだら修理を重ねながら大切に長く使い続けたい。
夏のリフレッシュグッズ
強烈な日差しに辟易して外出がためらわれるこの頃、家ですこしでも居心地よく過ごしたいものですが家にいてもバテますね。夏はにがて。
最近身近で愛用しているものを挙げることでこの高湿度高不快指数な時間をやりすごす作戦を試します。はやく夜になってくれー。
岩塩
サラダや野菜を軽く炒めるときに(きのことオリーブオイルの炒めものなど)に岩塩を使い始めたら仕上がりクオリティが3倍増しになりました。普通の塩に比べてマイルドで深みのある風味です。
しかしこれがリフレッシュグッズとして適当なのかはわからない。
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天然紅色岩塩 ヒマラヤピンクソルト ミル用粗粒 (3?5mm)300g入
- 出版社/メーカー: かがみ食品
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オリーブオイル
夏野菜とサラダ好きが高じて高級オリーブオイルを購入してしまった。評判通りのおいしさでびっくりしました。油ぽさがまったくないの。なんだこのフルーティな香りは。
極上のオリーブオイル 「ダウロ Dauro」 エクストラ・ヴァージン スペイン産 ノーベル賞記念ディナーでも使用
- 出版社/メーカー: ダウロ
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アロマディフューザー
無印良品の超音波アロマディフューザー を数年前から使用中。
香りでリフレッシュを試したことのない方におすすめしたい。あーやっとごろごろしていいんだ!という気分になれます。寝る前に部屋を真っ暗にし、ディフューザーの光だけで眠りに落ちることがしょっちゅうあります。稼働時間を設定できるので危険がなく安心です。
いま使用しているエッセンシャルオイルはふたつ。甘い香りは酔うので身近には置きません。
柔軟剤、香りもの
ここまで書いて、自分が香りもの好きだと気付きました。寝具やバスタオルがいい香りだと気分がよい。目覚めがよいとなんとなしに気分よく1日過ごせる気がします。とくに汗をかく季節はそう。
ジョギング時に自分のTシャツからよい香りが漂ってくるとつらさから救われることを知りました。
お気に入りの柔軟剤は以下の2種。安値でゲットして使います。ボーテは白檀の香りが好みでリピートしている。
ファーファ ファインフレグランス 柔軟剤? ボーテ(beaute) 詰替 500ml
- 出版社/メーカー: NSファーファ・ジャパン
- 発売日: 2011/10/08
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ラ・ボン 柔軟剤詰め替え ラグジュアリーリラックス 480ml
- 出版社/メーカー: ストーリア
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ポプリとフリージアが好みです。とくにポプリは木の香りが落ち着く。
インク
- 出版社/メーカー: パイロット
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普段頻繁にやりとりをしなくても、なにかの時に思い出して近況を知らせたくなる人がいます。この休みを利用して今夏の時候の便りを書きました。
紺碧系の色味が好みでこれまでいくつものインクを試してきました。そのなかで PILOT 色雫シリーズの「月夜」がいちばん好み。濃淡の出方や書き心地が好きです。
はーやっと夜に近づいてきた。清少納言も枕草子に 夏は夜、と記しています。月のころはさらなり。
よい夜をお過ごしください。
曇りのち小雨のち曇り
音楽を聴きながらひとつむこう駅までおおよそ8,000歩あるいた。雲が低い。途中ぱらぱらと降られたが傘をさすほどでもなかった。水たまりの波紋を見て雨に気づく程度。
直接見ていなくても、あるタイミングで何かを介すことにより実際の姿が見える。..ということがいろいろとあるなぁ。
夜の時間
年が明け極寒の日が続くのであたたかな話がしたいと思いましたが思い浮かびません。外は寒風にさらさらの雪が舞っている。
年末休暇に入ってから毎晩22~23時になると珈琲やアールグレイ, チャイを日替わりで淹れて夜のお茶タイムを楽しんでいる。 寝る前のお茶だから軽いのみもののつもりが、クッキーやちょっとしたスイーツを伴うと楽しさが増し、今日までそれが習慣になっている。年末年始の映画特集を観たり音楽を聴いたり本のページを繰ったり時候の便りを書きながら、ああ秋口から年末にかけてこういった時間を一切作れていなかったなぁと気づいた。なんでだろうと考えてみたが他の何のせいでもない、自分の狭量が問題だ。
急かされて過ぎていく日常に追われ、気持ちの余裕のなさが相まって、情けないことにいろいろなものごとを自ら遠ざけてしまっていた。自分の時間を自分で舵取りできないなんて嫌だ。機会は自分でつくりたい。どうも切り替えが下手で困る。
そういえば「機会があればではなく、機会は作るもの。会えば口にはしなくても、自分にとって君は・その時間は大切と自然に伝わる」 と言った人がいた。それは私たちが旅先からあるいは季節の節目に便りを出す思いに似ている。
時間の経過をそんな風に積み重ねていけるとすれば、まあ少々繁忙でも歳が増えていくこともそんなに悪くない。今年はもっと便りを書きたいな。外(旅)に出る機会も増やしたい。枕元に積んである本の高さがあぶない。
写真は雪の金沢。丘と吹雪の様相を見てトーベ=ヤンソンの童話の一節を思い出していた。先ほど京都駅に降り立つとこちらも厳しい寒さで指先が痛かった。
雪の影響で移動に3時間超かかったよ。
冷えますね。本年もよろしくおねがいいたします。