3/16(土)大坊珈琲店

10:00am, 狭い階段をのぼると踊り場に山野草が飾られている。小さく古いドアの横に「たばこは控えめに」の張り紙。ドアを引くとKeith Jarrett のピアノが流れていた。
Elephant Factory Coffeeとはちがう作法でひとカップずつ淹れてくれる。
棚からカップを取り出し、豆を煎り、あたためたカップにコーヒーをドリッピングする様子を眺めた。洗練された手つきで道具を扱い、時間をかけて丁寧に淹れる。年季の入った木のカウンターテーブルはでこぼこで、骨董のコーヒーカップを置くとガクガクした。朝から美しいピアノを聴きながらおいしいコーヒーが飲めてしあわせだ。
しばらく過ごすと次のお客がひとり来店し 2つ向こうのカウンター席に腰をおろした。ジャケットを着た初老の男性だった。マスターはステレオのボリュームを少し落とした。同じように淹れられたコーヒーが運ばれてくると、その方は小さな声だがはっきりと「いただきます」と挨拶をされた。マスターは店の奥に入っていたからそれを聞いたのは私だけだ。静かな時間だった。
11時前、ごちそうさまでしたと声をかけるとマスターは丁寧に「ありがとうございます」と返してくれた。

表参道は暑いくらいの陽気だった。帰る前の予定はひとつ、原宿方向に少し歩いてDiorとCHANNELの角を曲がった路地の先にある雑貨屋 QIUCOにでむくこと。周りは思いのほか細かな道が多かった。静かな路地裏を歩くのが好きです。
表通りにでると人の多さに辟易した。疲れと抗えない睡魔で早い時間に帰路についた。