ものとの出会いや自分の時間について

ものとの出会い

情報誌や雑誌はほとんど見ない。出かけた先で目にした偶然の出会いに強く影響を受けている気がする。例えば、好きなカフェやケーキ屋さんで使用しているお皿やカトラリーや器具。珈琲店でマスターが付けているエプロンや、カウンターに置かれている雑誌のどこかの頁とか。
お店で見かけたものやひとが素敵だなと思った時に参考にすることはしょっちゅうで、気が向けばメモをする。

身の回りのもの

使う愉しみがあるもの - Words fly away, the written letter remains.
機能性重視で飽きがこないものを選ぶ。頻繁に使ったり目にするものだから気に入った好きなものを使いたくて、これだ!と思えるものが見つかるまで基本的に買わない。気に入れば壊れるまで何年でも使い続ける。洋服も同じ。ものの経年変化が自分と重ね合っている気がして、その感覚が好き。
部屋に置く装飾の類はほぼ手に取りません。見るだけ。以前エジソンバルブの暖色が気に入っていくつか買ったけれど結局使わなくなってしまった。彩りとして、自分は季節のお花と育てている多肉植物で満足しますが、客観的に見るとかわいげがなく殺風景かもしれない。
リードディフューザーと掛け時計とソファカバーとクッションはお気に入り。昨年秋に掛け時計の短針が動かなくなり、思い切ってARNE JACOBSENのStation を購入した。デンマークの鉄道駅で採用された時計で視認性が高くスタイリッシュなの。スイスの国鉄で使用されているMONDAINEと迷って、こちらは我が家にすこしゴツい気がして Stationに決めた。いずれも実物を見て素敵だ〜と思ったもの。
ソファカバーはセールで購入できたカーテンと同色のベージュ。クッションカバーはただの白。
家具屋や雑貨売り場(コンランショップとか)のウィンドウショッピングは好き。これを部屋に置いたらどうかな?の妄想はよくする。

身に付けるもの

着るものについての思索 - Words fly away, the written letter remains.

服づくりのコンセプトやスタッフのかたの対応を重視している気がする。たんに新作をおすすめされるのではなくて、服が作られた思想や素材について教えてもらえるお店やスタッフを信頼している。長く着たいからデザインよりも素材や細部重視。そしてサイズ感。
なかなか冒険できずいつも似た服を着ているが、自分にフィットするものを選ぶことは好きなのでたいてい試着をして決める。試着時のやりとりは、自分とお店や洋服との相性を知れる機会になる。そういえばよくお店のスタッフに間違えられて、その度に、すみませんわたしお客なんですえへへ〜としている。

アクセサリーは毎日おなじ一粒のピアスと祖母に譲ってもらったオーセンティックな指輪を小指につけてお守りにしている。化粧品にはびっくりするほど関心がなくて、装飾に興味が薄いのと関係しているのかしら?美しい人をみてうらやましいなぁと思うけれど、真似したいなとはならず、顔を洗って肌荒れしませんように!程度のことしかしていない。つい自分が楽できる居心地重視を優先してしまう。

自分の時間

わたしの多くを形づくっているのは、時間の過ごし方なのかなぁと思える。
仕事をして帰宅してご飯と後片付けをしてお風呂で平日は終了。休日は本を物色したり理由なく街をぶらぶらと歩いて飲食していることが多い。好きなお店をのぞいてスイーツを食べたりおしゃべりをしながらの散歩は最高。京都の街はこじんまりでおいしいお店がたくさんあり、ちょっと歩けば文化や歴史が感じられて幸せだ。

観察好きなので、ふらっと出かけたとしても飽きることはありません。
カフェで使われているお皿やカトラリーにこだわりが感じられると、ここのオーナーさんは味覚だけじゃなく五感ぜんぶでお店に居る時間を楽しんでほしいと思っているのだなと想像する。穏やかな空気を纏っていて、自分の好きなものや本質を重視するような言動が感じられるひとには目がいってしまう。優しいひとは安心感があって幸せな気持ちを連れてきてくれる。場所やひとの細部や深部から滲み出る魅力みたいなものに惹かれる傾向にある。居心地がよいと通いたくなる。

家で過ごす時間はもちろん好き。週末どちらか1日は家でゆっくりしていたい。寒い季節にはFortnum&MaisonのChai茶葉でチャイを作って飲む。少し手間をかければお店並みにおいしい。
昨年の一時期はゲームをやっていたけれど、いまは漫画や本を読んでいる時間が楽しい。読書をして気に留まる一節があればノートに転記をする。字や手紙を書く時間は気持ちが落ちつくので大切。
就寝前にやる1日の振り返りを日課にしている。うれしい出来事を追体験して噛み締めたり(あーん)内省したり、その日にあったことを思い巡らせる。いろんな感情と向き合うことになるのでいい時も悪い時もあるけれど習慣になった。
特別なことをしなくても、のんびりと妄想ができたり他愛ない時間がリフレッシュになっている。寛げる好きな場所で自分の時間を過ごしていたい。
うれしいなぁと思うコメントをいただくことがたまにある。自分のどこがとびっくりするが、自然体で好きな時間とものと人たちの近くでマイペースにやっていきたい。

むすび

離れた場所で新しい生活をスタートされた友人から届いたお便り(うれしい)がきっかけでこのエントリを書きました。
「どのようにものと出会い、手にとっているのか?」「なりたいイメージだ」とのメッセージは、自分が素敵なひとに対して思っていたことで、なんだかとてもうれしくなって何度も読み返しました。人間てうれしいときは小躍りするものですね。

素敵なひとを見つけた時に感じるのは「自分の好きなことや似合うものをよく知っているのだな」「自分の時間をもっているのだろうな」ということです。流行や周りの喧騒に流されることなく自分をゆったりと生きているように見える。わたしもそうありたい。健やかに穏やかに感性豊かに生きてゆきたいものです。