適切な言葉を見つけることに苦労している

脳が事実や感情を都合よく編集したり失念してしまわないうちに、書き留めたり伝えておきたいとしょっちゅう思う。
その事を思い巡らせながらテキストエリアに向き合ってみるのですが、なにから書き始めればよいかむずかしい。ペンを使って紙に書く私信の便りなら最初にきっとこう書く。「日差しが春です。通勤途中に沈丁花の香りがして気分がよいです」
しかしわたしの中でこういった場に残すテキストは手紙と事情が異なる。いま脳内の声はこうだ。「書いておきたいこと、伝えたいことがあるのです」
書きたいことがたくさんあるはずなのに、次にどう書けばよいのかもうわからない。要するになんだ?どうやらわたしは、結論よりその過程に目を凝らしたい性質のようだ。

書き言葉だけでなく話し言葉もそう。表現力伝達力が乏しい自分に嫌気がさす。なにが言いたいのか読んでもらったひとに考えてもらわないといけないかもしれない。こうして伝えられて自分はうれしいけれど、相手はどうなんだろ?面倒じゃないかな?伝わっているのかな。そんなことを考え出すとああダメだーとなって手や口が止まる。「美しいかどうかより思いがこもっているかどうかが大事」以前伝えてもらったこの言葉が事あるごとに背中を押してくれる。
ここまで書くのですら思った以上に時間がかかっていて途方に暮れる。それでも自分が伝えたいことをそのままに伝えたい時は、時間が必要なのかもしれない。自分のなかをぐんぐん掘ってゆき、思考を抽象化し、それを自分がリアルに感じられるまで感じてようやく相手にイメージとして伝わるのかもしれない。諦めず、言葉を探す作業に時間をかけてぜんぜんよいのだということを忘れないでおこう。
できることなら、月を見た時の会話のように事実や感情をシンプルに情緒的に伝えたい。

このエントリは実のところ、余白について書き始めたものです。それなのに、書きたいことをそのまま伝えられる適切な表現が見つからず、書いては消して〜を繰り返すうちに、いつのまにかこんな別の内容になっていました。いつか書けるだろうか。

いまなにが言いたいの?問い続けて自分の声を探している。